日本舞踊で膝を痛める人と痛めない人の違いとは?

コロナ禍による運動不足か?とうとう膝の痛みが!

7月はじめ、多摩川の稽古が始まったときのこと。
「高~く御嶽(みたけ)~の<チャチャチャン>」
片膝をついた状態から立ち上がろうとしたところ、膝の半月板が痛み、立ち上がれないときがありました。

こんなことは初めてです。「ステイアットホームによる運動不足のせいか?」と思いました。

立ち座りの多いにもかかわらず、高齢でも膝を痛めない人がいる

7月は梅雨が長引き、運動不足はなおさらでした。8月、梅雨明けしたと同時に、筑波山へ山登りに行きました。下肢筋力をつけ、よりハードな夏山登山に備えるためと、自分の膝痛が運動不足によるものかを確かめる狙いもありました。果たして下り道では膝に痛みはあったものの、無事下山。筋力はついたらしく、それから数日は膝の痛みが軽減しました。

しかし、数週間たつとまた痛みが出て、日常生活で座ろうとしても、膝に来る。私はまだ50代だし、こんな膝の状態では困る!ーー何とかしなければ!そこでまず、私自身の膝痛の原因をもっとよく考えてみることにしました。

趣味で登山をすると、下り道には特に膝を使うので、普通の人より酷使しているかもしれません。しかし、私はヤセ型で身長のわりに体重が少ないので、「三乃智さんが膝痛むはずないでしょう」とも言われます。

日本舞踊は立ち座りが多く、ときにウサギ跳びのような所作もあります。膝を結構使うのです。日本舞踊のお師匠さん達は確かにご高齢になると、立ち座りは大変になりますが、高齢でも膝痛がない人と、膝痛で悩んでいる人に分かれるのです。

膝痛がない人とある人では、何か身体の使い方が違うのではないか?それが私の中にある大きなテーマでした。

膝を痛める3つの癖

現在の我が師匠は厳しい方で、ありがたいことに、身体の使い方について細かく指摘してくださいます。

「それじゃぁ、膝を痛めるよ」と言われた第1が、間違った腰の入れ方をしていたことでした。

腰を入れるというのは、腰を落とすことではありません。それなのに私は間違った腰の入れ方、つまりただ膝を曲げて腰を落としていたのです。

それからもう一つは、女形で重心が前にかかってしまう癖でした。

もう一つは、男形では、膝が十分に割れていない。そのうえで、外足にしようとして足首から先だけ外に向けてしまっていた。膝と足先の向く方向が一致しないと、膝に余計な負荷がかかり、膝を痛めてしまうのです。

これは我が師匠が太極拳でもプロ並みで、太極拳と日本舞踊に共通する身体の使い方として気づかれたそうです。

下の写真の北斎の絵をみても、足先と膝の向く方向が一致しているのが分かります。相撲の力士の四股を踏む形も、まさにそうですね!

3つも、膝を痛める癖があったのです!しかも、この3つの癖は、私の踊りの上達をさまたげるネックになっていました。

我が師匠はこう言います。

「ほんのちょっとなんだけど…全然ダメなら直すのは簡単で、“ほんのちょっと”だから直すのが大変なのよ」

癖を直すのは容易ではない。しかし、もう私の膝が悲鳴をあげている以上、本腰を入れて早く直さないといけない――私は危機意識をもちました。

私は若くありません。日本舞踊だけでなく、これからくる高齢期を乗り越えるためにも、日常の身体の使い方から見直す必要があるのではないかと考えました。

そこで、ロルフィングという、身体の歪みを修正し、全身をバランス良く整えるアメリカ生まれのボディワーク(整体)を見つけ、8月下旬からその指導を受けるべく千葉の指導者のもとを訪れました。

ロルフィングを受けて驚いたのは、アメリカ生まれのボディワークと日本舞踊という日本の伝統芸能の師匠の指摘することが見事につながったことでした。(つづく)


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